2002.11 無料公開記事 ネット販売2002.11
月刊サイトリニューアル通信
 
ネット販売サイトは、更新やリニューアルが頻繁に行われている。“即時性”はインターネットの大きな特徴の1つだからだ。しかし、それだけではない。大幅なリニューアルの裏には、改善すべきサイトの問題点や対応すべき時代のニーズが隠されている。
 
事例報告書11

ファンケル
「ファンケルオンライン」
http://www.fancl.co.jp

化粧品、健康食品通販の代表的企業。ファンケルネットは98年から展開、今期は40億の売上を見込むなど、この分野で現在最も高い売上高を誇るサイトだ。



 化粧品、健康食品販売の大手ファンケル(本社・横浜市中区、池森賢二社長)は8月21日にサイトを一新した。リニューアルは約1年半振り。今回は、サイトのデザインを大幅に変えたほか、サーバーや回線なども増設するなど、表裏両面にてこ入れを実施。ネット受注の体制を全面的に強化している。

ポイントは「見やすく」
「分かりやすく」「使いやすく」


 今回のリニューアルでは、サイト全体のデザインをすっきりと見やすいものに改善。また「フラッシュ」を全面的に取り入れ、見た目の賑やかさを演出する。いずれもユーザーの声を反映させたものだ。
 トップページは、コンパクトかつ分かりやすい設計を意識。大きなポイントとしたのは、ユーザーが自分の目的にすぐにたどり着けるような見せ方だ。
 サイトという「売り場」には、常連のヘビーユーザーからウインドショッピングを楽しむ人、また情報を探しに来た人までさまざまな層が訪れる。これを踏まえ、目的別に入口を整理。中央には、製品別にカテゴライズされた入口、左下にはショッピング専用、右上には、キャンペーンなどの情報を集めた窓を配置。それぞれの目的にストレスなくジャンプできるようにした。
 また、トップページの中央にはフラッシュの大きな窓を設置。ビジュアルで、ファンケルのコンセプトを強く訴求する。フラュシュはマウスを動かすことで、数パターンに変わる仕組みとなっており、画像は頻繁に差し替える考え。また、トップページは、スクロールせずに全体が見渡せるコンパクトサイズとした。
 またサイト内には製品別に細かい情報を付加。化粧品では、「フェナティ」「エヴァンテ」など同社のブランドのコンセプトや製品の機能性を細かく解説。また、メークの方法を動画で配信する試みも取り入れた。
 健康食品では、成分別に検索できる機能を追加。さらに発芽玄米のコーナーでは、料理のレシピなどを提供している。
 また、ページからページへの移動時間も極力短縮するように工夫。購入する製品を選択した場合、ショッピングバスケットが画面下に常時表示されるようにするなど細かい配慮も行っている。
リニューアル直後となる九月には、ネットからの受注金額が三億五千万円となり、前月に比べ五千万円増。過去最高の売上を記録した。新規顧客の獲得も一万二千人近くとなり、リニューアルのプラス効果が顕著に現れた格好だ。
 プラットホームが整備されたことで同社は今後積極的にネット広告を展開、販促を強める考え。100億規模の売り上げを目指す「ファンケルオンライン」は、目標へ向かって進化の第2フェイズへ突入したといえそうだ。

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