2008.10 無料公開記事      ▲TOP PAGE


EC実施企業のキラーコンテンツ最前線
第3回 コメリ「おしえてネット」
ノウハウ提供し新規ユーザーを獲得






「レンガの積み方」「網戸の張り替え方」など、ホームセンターならではの「How toコンテンツ」が好評を博しているのがDIY商材などを販売するコメリ(本社・新潟市南区、捧雄一郎社長)。往々にして専門的な知識が求められるDIY商材だが、同コンテンツでは素人でも扱えるように写真と文で要点を分かりやすく説明。"知っていると便利なコンテンツ"として、DIY好きユーザーのみならず、サイトを偶然訪れた新規ユーザーの獲得などにも貢献しているようだ。

540超のノウハウを表示


同社がHow to コンテンツ「おしえてネット」を開始したのはサイト開設と同時の2000年4月。もともとDIY商材には説明が必要なものが多いなどの事情から、開始以前、ホームセンター各社ではノウハウなどを記述した冊子を実店舗の店頭に設置する取り組みが流行していた。
そこで、そのような動きを眺めていた同社は「インターネットで同じことをやればいいのでは」(鈴木勝志コメリドットコム事業部ゼネラルマネージャー)と着想。テーマ別に「〜の仕方」を説明する「おしえてネット」が誕生した。
現在、同コンテンツが扱うテーマ数は540超を数える。テーマは「レンガの敷き方」「ビニールハウスの組み立て方」「ロープの結び方」など、同社が扱っているDIY商材に関連するものが中心。時期によってアクセスの伸びは異なっており、例えば秋口なら「秋野菜の植え方」が、秋から冬にかけては「クリスマスツリーの作り方」が伸びる、といった具合だ。
コンテンツは、同社スタッフがメーカーやバイヤーなどに取材して作成。「分かりやすさ」を重視するため、文章以外に写真と図、イラストなどを多用。読み物風に仕上げ、誰でも気軽に読めるつくりを意識した。
説明文の分量は、見やすさを考慮しA4用紙一枚分程度に。実際の作業現場でも見ることができるように、簡単にダウンロードできる PDFファイルもページ上に用意した。これは2年前からの試みで、まだすべての商品には対応していないが「アクセスの多いものから」(同)順次、拡充している段階だという。
また、「分かりやすさ」を補強するため、「花壇の作り方」などの人気テーマには動画も実装。ネット独自の仕掛けとして、PDFファイル同様、今後積極的に設置していく考えだ。同コンテンツトップページには週ごとの人気テーマランキングも表示し、その時期によく使われるテーマが分かるようになっている。

検索経由のユーザーを獲得


では同コンテンツがサイトへ与える効果はどのようなものか。最も大きなメリットとして挙げられるのは「集客」だ。中でも特に大きいのが、検索による新規ユーザーの獲得。「レンガの積み方」を純粋に知りたいだけのユーザーがネットで方法を検索した際に、検索結果上位には同コンテンツの「レンガの積み方ページ」が表示されるので、そこからの流入が見込めるという訳だ。実際、「商品ページよりHow to ページのほうが(検索で)引っ掛かることも多い」(同)ようで、今では同コンテンツで全体のアクセス数の20%程度を占めており、欠かせない「集客ツール」となっているようだ。
また、How to ページには関連商品ページへのリンクを貼付。やり方を調べて購買意欲を喚起されたユーザーがその足で必要な商品を買える仕組みにした。統計は取っていないので実数は定かでないが、同コンテンツから商品を購入するユーザーは少なくないようで、直接的な売り上げへの寄与も図れているようだ。【編集部・河鰭悠太郎】




▲TOP PAGE ▲UP