2007.10 無料公開記事      ▲TOP PAGE


日テレ、ドコモと共同で「ワンセグ」使った新広告実験を開始






日本テレビ放送網とNTTドコモは9月11日から、ワンセグを活用した新たな広告手法の実験を開始した。ワンセグで日テレの番組を見た視聴者に、自動的に広告主の電子クーポン券を配布する仕組みで、今回のテストでは日本コカ・コーラの缶コーヒーの無料券を配布。視聴者が電子マネーを使用できる同社の自動販売機「シーモ」の読み取り機に携帯電話をかざすと当該缶コーヒーを1本、無料で購入できるというもの。両社は今回の実験から反響や結果、効果などを分析し、本格運用を開始していきたい意向。
今回の新広告は日テレの開発した「ワンセグinfo」と呼ばれるワンセグ携帯端末に番組情報やクーポン情報などの電子データを自動蓄積させる仕組みを利用。番組下のデータ放送部分に表示されるクーポン券は専用の「ワンセグinfoBox」に蓄積され、いつでも取得したクーポン情報を閲覧、使用できる仕組みだ。
従来、この種の販促キャンペーンを行う際はテレビCMでサイト情報を告知し、サイト検索やURL入力などをさせ、広告主のサイトに誘導される必要があった。同仕組みの場合、クーポン情報などから、直接、サイト誘導が可能で視聴者も情報をメモするなどの必要もなくなる。また、取得したクーポンはユーザー間での再配布も可能で、くちコミ効果を誘発できるメリットもあるようだ。まず、関東圏限定で実施した今回のコカ・コーラ社での実験を分析。本サービスの開始などを日テレ、ドコモで検討していく考え。
ワンセグはモバイル通販拡大の起爆剤として期待されているが、ワンセグ活用の通販は現状、やはりテレビ局が行うEC事業が中心で、一般のEC事業者はその恩恵を受けられないのが実情だ。ただ、電子情報技術産業協会(JEITA)の調査では今年7月時点でワンセグ対応携帯電話の出荷台数が累計で1177万5000台となり、本放送開始から約1年半で1000万台を突破。ワンセグ視聴者は確実に増えている。直接的な通販活用ではないにしろ、まずは「集客」としてのワンセグ活用としてEC事業者にとっても注目に値する新広告手法なのかも知れない。
【編集部・鹿野利幸】


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