2005.9 無料公開記事 | ▲TOP PAGE |
例えば、売り上げの規模が大きいとされるヨドバシカメラですが、その伸びの要因は単なる価格訴求だけではありません。送料無料や設置サービスなどのサービスを強化することで、今までネットでは売りづらかった白物家電などが売れ始めていることも大きいのです。 その辺を考えると、今後はサービス力が競合サイト間での勝敗を分ける大きな要因になると思っています。実際、商品分野別で見て成熟度が高い書籍では、アマゾンジャパンが「送料無料」「24時間発送」をいち早く打ち出し、圧倒的優位に立ちました。 つまり、消費者の手元に商品が届くまでの間に、価格だけではない満足感をいかに最大化して提供できるか――ということです。これが重要になってきているのかなと強く感じます。 ――ファッション・雑貨や食品など売り上げ規模が突出している企業が見当たらない商品分野もあります。 結局、万人に受け入れられる商品分野ではないということなのではないでしょうか。 例えば、判子やドックフードの専門店が年商1億円以上売っていたら、当該マーケットから考えてヨドバシカメラに匹敵する需要をネットで獲得しているとも考えられます。ですから、書籍や家電などを取り扱う企業と、それら企業の売り上げ規模を単純比較できないと考えた方がいいでしょう。 こうした専門分野に特化した市場は、購入者に大きなこだわりがあり、価格やサービスとは別のところで購買意欲をかき立てられていることが多いと思っています。"こだわり"の市場は横に広くはありませんが、縦にものすごく深い。こうした深い穴のようなサイトは無数にあり、それらが束になると、かなりのボリュームにはなると思っています。 (聞き手は島田昇) |
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