2005.11 無料公開記事      ▲TOP PAGE

企業研究・ネクストジャパン

店舗の有料会員を1to1マーケティング
携帯通販に大きな脅威の可能性も


 会員600万人(2005年10月9日現在)。それも、住所や氏名といった基本データのほか、生年月日や職業、興味のあるエンターテイメントのジャンルなど詳細な情報――。これらは、通販実施企業にとって喉から手が出るほど欲しい情報であるはず。これらの顧客データベースを活用した事業を本格的に始動したのが、会員制レジャー施設「JJCLUB 100」(ジェイジェイクラブ イチマルマル)を展開するネクストジャパン(本社・大阪府吹田市、長江芳美社長、URL=http://www.nextjapan.com)だ。

 新規事業の一環として考えているのが、会員へ向けて行うモバイルコマース事業。通販事業へは新規参入だが、既に600万人もの顧客を獲得し、その会員データを活用した事業を行っている点で今後、注視する価値がありそうな新規事業者と言える。

事業の根本はデータベースの活用

2005年7月末現在、レジャー施設「JJCLUB 100」を関東・関西圏を中心として全国に62店舗展開する同社。これらレジャー事業が、前期(2005年7月期)売上高のうち98.6%を占める全体の核となっている。

会員は50〜70日間で50万人ずつ、つまり、3〜4カ月間で100万人のペースで増加。基本ターゲットは10〜39歳で、実際は20〜24歳が多いが、キッズ向け施設を強化している関係でファミリー層も増加している。

ビジネスモデルは、15分100円(税込み105円)で、ボウリングやダーツ、ビリヤードなど施設内のアイテムを利用し放題というもので、「時間消費型会員制レジャー」を提案している。

つまり、長く滞在させればさせるほど料金を多く徴収できるモデルなわけだ。そのためには、いったん入館した利用客をうまくコントロールすることが重要になる。

同社の事業の特徴であり、強みとしているのが「完全会員制」である。POSシステムに会員情報を登録、会員が各アイテムを利用する度にその行動履歴を管理する仕組みで、会員の属性と行動履歴を掛け合わせて、利用を勧めるアイテムの選定などに活用している。混雑している場合は、すぐ利用できるアイテムを勧めるなどの対策が効果的になる。

また、人の好みは様々で、一般的に利用するアイテムは好みのものに偏ってしまいがち。ただし、行動履歴の把握から未体験のアイテムを勧めれば、滞在時間を引き伸ばすことが可能になる。このような利用客のオペレーションを効果的に行うために、POSデータの活用が必要になる。

これは、通販におけるアップセルやクロスセルと同様の方法と言える。会員の行動履歴は通販でいう顧客の購買履歴に当たり、これらをいかにうまく活用できるかで、「滞在時間の引き延ばし=購入頻度のアップ」が可能になるかが決まってくる。【峯木多恵子】
<続きは月刊「ネット販売」にて>

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