2005.11 無料公開記事      ▲TOP PAGE

ポータル戦争――ヤフーを超えろ!

競売で「ドコモ」、メディア戦略で「TBS」
屋台骨死守する最後の賭け



 「世界に通用するメディアグループ?」。10月13日、東京放送(TBS)へ共同持ち株会社の設立を提案した楽天が言う狙いに、あるネット業界関係者は眉に唾を付けた。

 世間に衝撃をもたらしたこのニュースを、ネット業界関係者の中には楽天の説明通りに受け取らない向きもある。なぜなら、それが「いくらあがいても越えられない最大手ポータル(玄関)の壁に対する苦肉の策」(前出のネット業者)と見られたためだ。最大手ポータル。つまりそれは、ヤフーを指す。

          ◇   ◇   ◇

 楽天が説明する狙いはこうだ。

 今後、テレビ局の収益源となるテレビ広告は、その価値が低下していく。新たなメディアとなるインターネットの登場などで、視聴者がテレビと接する時間は目減り。しかも、DVDレコーダーの普及でテレビCMを"スキップ"する人が急増すると見られることも、これに拍車をかける。すでに、DVDレコーダー所有者の8割がCMをスキップしているという調査もある。

 このようにテレビ局の経営の行き先に暗雲が漂う状況に対し、楽天こそが救世主となり、自らも大きな発展に向けた足がかりになるというのだ。

 そのための具体策として挙げている大枠は、@収益規模の大きいテレビ局と資金調達力に優れたネット企業による再投資と持続的成長に向けた相乗効果Aネットを活用したテレビ広告の高付加価値化Bネットとテレビ連動によるショッピング事業の拡大――などだ。

 さらには、先のライブドアによるフジサンケイグループとの提携交渉の時とは異なり、共同持ち株会社の設立というテレビ局側に配慮した形での提携交渉を行なうなど、楽天は「一味違う提案ができた」(國重惇史副社長)と満足げだ。

 しかし、ライブドアの件とどう違うのか――。【島田昇】
<続きは月刊「ネット販売にて」>

▲TOP PAGE ▲UP