2005.10 無料公開記事    ▲TOP PAGE

ザッパラス・モバイルコマース戦略を探る

強みの専門性で個°qを狙い撃ち



 占いサイトを軸に成長しているザッパラス(本社・東京都目黒区、杉山全功社長、http://www.zappallas.com)がコマース事業のマス展開を進めている。占いや待ち受け画面などのデジタルコンテンツと並行して展開しているモバイルコマース事業はこれまで、スイーツ(デザート)や産直品、アロマグッズなど特徴的で専門性の高いカテゴリーに特化したサイト構成で、顧客を獲得してきた。そこに、コスメなど万人向けのマス的<Rンテンツを投入して、既存客を活性化させ、全体の規模拡大を狙う。

「占い」で培った基盤を活用

 コマース事業の強化の狙いは、デジタルコンテンツサイトで獲得した既存ユーザーに対してコマースを提案し、両コンテンツの相乗効果を高めるというものだ。さらにマス化≠ノより、これまでの専門性の高かったコンテンツに加え、日常的に使用するコスメなどのサイトを投入し、利用率アップを狙っている。

 第3世代端末など携帯電話端末の進化、通信料の定額制、携帯電話利用者数の拡大やモバイルコマースへの意識向上――など携帯電話を取り巻く環境の変化が、コマース強化の決断を後押しした。

 ただし、コンテンツをメーンに展開してきた企業がコマースを強化する動きは既に競合各社が着手しており、後発の感もある。これに対してザッパラスは、継続性の高い「占いサイト」を軸に集客してきた点を強みと自負する。

 同社は占いサイトだけで40サイトを展開している。前期(2005年4月期)実績におけるデジタルコンテンツ事業のカテゴリー別売上高を見ると、「占い」は18億5800万円。コンテンツ事業全体(29億2800万円)の63.5%を占める規模で、屋台骨であることが分かる。この比率は、その前の期より6.7ポイント上昇。今期は65.1%を見込む、軸となるカテゴリーである。

 占いサイトの特徴を本田慎悟執行役員コマース事業部長は@利用の継続性が高いA有料サイトにもかかわらず、毎日もしくは毎週、毎月、サイトに来訪するBF1層(20〜34歳の女性)がメーン――などの点と強調する。

 これらの特徴は、モバイルコマースを展開する各社が共通して重視する点だ。ザッパラスが自負する強みとは、これらの条件に合致したサイトを新たに立ち上げてゼロから集客するのではなく、既に囲い込んでいる点。これらの層に対して幅広いコマースをうまく提案していけば高い購入率が見込めると予測する。
さらに、占いサイトであるから、利用者は生年月日、性別を最低条件≠ニして登録している。待ち受け画面や着信メロディーサイトでは、これらの個人情報を収集しにくいが、占いサイトでは既に獲得している点で、コマースへ誘引するための障壁を1つクリアしていることになる。(続きは月刊「モバイル通販」にて)【峯木多恵子】
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