2005.1 無料公開記事    ▲TOP PAGE

経済産業省、ネット・モバイル取引で新規制を検討
「通販研究会」を立ち上げ、「特定商取引法」改正も視野に



<解説>
 この時期の研究会新設に疑問


 今回の研究会が年も押し迫った12月に入り急遽設置されたことについて、業界関係者は一様に首をかしげる。迷惑メールについては、11月半ばに総務省が法制度見直しの中間報告を行ったばかり。現行の取り締り範囲を拡大し、刑事罰導入も検討すると発表している。

 またテレビ通販においても、経済産業省とすり合わせを重ねた「テレビショッピングに関するガイドライン」をJADMAが11月19日にまとめたところで、「なぜ今?」という疑問がつきまとう。

さらに、法律改正を念頭に置いていても、この時期から議論を始めては日程的に来年の通常国会には間に合わない。経済産業省は「本当はもっと早く手を付けたかったが、個人情報保護法のガイドライン策定などが伸びてしまい、この時期にずれ込んだ」と説明。その一方で、「すぐに法改正という考えは持っていない」とのあいまいな姿勢を示している。

 考えてみればインターネット、モバイル、そしてテレビと、検討対象のメディアは総務省と重なるものばかりだ。両省の研究会や委員会は互いに傍聴し合い常時情報交換を行っていると言うが、2つの行政が同じような規制強化を検討しているイメージも否めない。今後7回の研究会を経た後に法律改正につながるのかどうかはまだ不明だが、右へ習え方式で不必要な規制を重ねても、果たして消費者保護に結び付くのか疑問が残る。
(渡辺友絵)

▲TOP PAGE ▲UP