2004.9 無料公開記事 | ▲TOP PAGE |
ここ最近は、検索エンジンを活用した集客方法などに熟知していれば、仮想モールのようなサービスを利用しなくても、一定の集客は望めます。そのため、ファーストステップとして仮想モールなどである程度の固定客を集めることができたら、自社でサービス展開したいと思っている地方の中小企業は多いです。つまり、仮想モールの“卒業組”が出始めているということです。 ただ、卒業組がいるのと同時に“入学組”もいるわけですから、大手の仮想モールなどはショップ数がどんどん増えていくという方向性ではなく、ショップの循環が進んでいくのではないかと見ています。 それは消費者サイドにも言えることで、ネットの初心者はヤフーや楽天で買い物をするでしょうけれど、ある程度成熟すれば、検索エンジンから好きなショップや商品をダイレクトに探すというスタイルが増えてきます。つまり、ネット販売の利用方法は多様化が進むと思います。 ちょっとしたサービスの強み カテゴリー別に見た有望市場については、サービス部門だと思っています。あるゆるサービスはネットに置き換えることができますし、「予約」という意思表示をするだけであることや、「割引券」などインセンティブも付けやすいからです。逆に物販はニッチで専門性の高いカテゴリーは伸びると思いますが、家電などのカテゴリーは2、3年で頭打ちになると見ています。 一方、「フェリカ」(非接触ICカードを使った電子決済)などネット通販における技術革新が利用のハードを引き下げ、「クレジットカード決済は不安」というような利用層を取り込むきっかけになる可能性はあると考えています。しかし、その辺は今後どうなるか見極めづらいところでもあります。 やはり、総合的に見て「強いな」と思うのは通販企業です。通販企業が展開しているカタログと連動させたネット戦略は、リアルとサイバーを融合させた販売手法の好例と言えるでしょう。しかも、強いサイトは1社だけでなく、複数あります。 さらに、ちょっとしたサービスによる“ついで買い”を誘う手法もうまい。例えば、1度何かを購入しても、「24時間以内の再注文なら送料は一緒にします」というようなサービスです。一見、こうしたことは大したことではないように思えますが、実はこうした購入者の“ついで買い”を誘う場面は多いのです。 チャネル間の連動ができていることに加え、購入者の心理を熟知しているということが、通販企業が他社と比べて優位に立っているところなのでしょう。(談) (島田昇) |
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