2002.3 無料公開記事 ネット販売2002.3
 
今月のWeb人
 
(有)ワイズプロ  代表取締役 山岡慎哉

〈経歴〉
1970年生まれ。
1998年4月に個人事業にてワイズプロを設立。
1999年2月にECの世界に飛び込み「受注でポン」を開発。
2000年2月に法人化し(有)ワイズプロに。受注管理システムを武器に、ECコンサルティングを開始。ネット通販で月商 1,000万円超のショップを多数プロデュース。


「受注でポン」が大ヒット

 物販を手がける全国のECショップから、いま最も注目されているサイト構築請負人の1人が、北海道の恵庭市で(有)ワイズプロを率いる山岡慎哉さんだ。
 ワイズプロが作った受注管理ソフト「受注でポン」は、リアルの通販とネット通販の業務を一本化し、作業を画期的に軽減できるスグレモノ。同社のサイトから体験版がダウンロードできるので、興味のある方はお試しあれ。
 山岡さんが全国区で「知る人ぞ知る」存在になったのは楽天市場で個人商店No.1のワイナリー和泉屋をサポートしたことが大きく関係している。
 同社のサイトは、在庫の引き当てができることや、意表を衝く縦書き画面で知られるが、これを実現したのも山岡さんである。

他のソフトは意識しない

 サイト構築の仕事が舞い込むようになったのは98年のこと。当初は個別に対応していたが、そのうち汎用ソフトにしようと考え、99年2月に最初のバージョンを完成させた。
 他社のどんなソフトを意識したかと聞くと、「人のソフトは見ないことにしています」という答が返ってきた。
 「お店の要望にしたがって機能や使い勝手を考慮した結果、必然的に現在の形になったのだから、他のソフトは意識しなかった」ということらしい。
 「要望があればその部分だけ付け加えます。使われるかどうか分からない機能を、あれば便利だという理由で付け加えるようなことはしていません」
 新井さんが援軍を買って出た。「世間に出回っているシステムには、いらん機能が多すぎる。プロモーションをかけるためのプレゼント(懸賞)メールが取り込めるとか・・・。ショップに必要なのは顧客のための機能で、プレゼントのためのものではありません」
 山岡さんが信頼されているのは、個人や中小企業のショップにフォーカスしているからだろう。

商売センスはピカイチ

 取材から数日後、ASP関係者がこう耳打ちしてくれた。
 「ワイナリー和泉屋、知ってるでしょう。あそこにはいい技術参謀がいるんだよ。有名ショップを軒並み手がけているらしい」
 そう。ワイズプロのサイトから実績を拾うと、他にも松坂肉のまるけん、北海道お土産探検隊、心斎橋みや竹(kasaya.com)、ハンコヤ・ドット・コムと、そうそうたるショップが並ぶ。
 若いし押しも強くは見えないが、商売についてのセンスがピカイチなのは、サイトに掲載された「オンラインコラム」の文章からも明らか。悔しいけど筆も立つ。
 ボタン一つでポンと注文できるから「受注でポン」なのかと尋ねると、新井さんがネタをバラした。
 「深夜番組の『われめ DE ポン』て知ってる? あれ観てて思いついたんだってさ」
 「まずいよ〜。お客さんがいなくなっちゃうよ。まさか書きませんよね」
 山岡さん、ごめんなさい。このネタ頂戴いたします。

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