2001.12 無料公開記事 ネット販売2001.12
 
実践 Eメール・マーケティング
・・・ここが違う 繁盛店のメルマガ
 
インタビュー
(株)カレン 西田徹取締役


――メルマガは発行しているが効果が上がらないという企業も少なくありません。読まれるメルマガにするためのチェックポイントは何ですか。

商品情報をだらだら書き連ねたり、Webサイトの更新情報を流すだけでは読んでもらえません。たいていの企業では、メルマガを書く担当者が実店舗の運営も Webサイトの運営も兼任し、片手間でメルマガを発行しています。これでは面白いコンテンツなど期待できません。読まれるメルマガは、やる気のある人を専任者にすることから生まれます。メルマガによって Webサイトの収益が左右される・・・そうした認識が経営者には欠けている点が最大の問題だと思われます。

――クリックカウントを取る仕組みはどうしても必要ですか。

 最初はそこまでする必要はありませんが、少なくともメールから Webサイトにジャンプする仕掛けは作っていただきたい。配信したメールからどれだけ Webサイトに来てもらえたか(これをクリック率と言います)把握できるし、どんな情報やコンテンツが好まれたのかを判定できますから。それをもとに担当者が学習していけばいいんです。

――読まれるメルマガには書いた人の個性や人柄が現れています。

 企業では担当者名を出すことさえためらいます。担当者個人がメルマガを発行しているのではなく、会社が発行しているんだという理屈なのです。でも、読者は担当者(の個性や人柄)を通してその企業にシンパシーを持つんです。顔のない企業は選ばれないし、顔の見えないメールも読まれません。

――会社が発行するメールはフォーマルなものだという思いこみがあるんでしょうね。

 担当者の個人名を出して、私的感想を付け加えた方が、読者に親近感を持ってもらえます。Eメールはもともとインフォーマルなコミュニケーション手段だったし、コミュニケーションである以上、ある程度の演出は必要です。

――「値下げしました。社長には内緒です」とか、「出血サービスをしすぎて会社から怒られました」とか、読者はそうした演出を期待しています。

 産直のカニ屋さんのメールで、『訳ありのタラバガニ、安く売ります』という表現がありました。身の入りが悪いので通常価格の7掛けとかで売りたいという告知です。衣料ならアウトレット品で済みますが、食べ物では不良品じゃないかと言わて信用を失われるリスクがある。このショップでは、それを逆手にとって『訳あり』と書いて読者を引きつけた。注目して見ていたら、しばらくして『訳ありの毛ガニ』も登場しました。つまり、評判になったのでシリーズ化したのでしょう。メールならではの、なかなか見事なマーケティングだと感心しました。

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