2000.12 無料公開記事 ネット販売2000.12
 
〈インタビュー〉良品計画――松井忠三専務に聞く
 
 良品計画が開始したネット販売が出足好調だ。だが、現時点では半分強程度の商品ラインのみで展開しており、ある意味では「慣らし運転」のようなニュアンスもある。来年春以降の本格展開をどのように進めるのか、また現状での販売状況などについて、同社の松井専務に聞いた。(聞き手は本誌・縄田昌弘)


――サーバーを自前で構築されたようですが、初期投資はどの程度なのですか。

 約10億円です。日本IBMにネット販売用サーバーをハウジングしてもらっています。サーバーは全部で4台あり、通常は2台が分散処理の形で稼動しています。

――コールセンターのオペレーションはどのように行っていますか。

 PC経由の受注は自動的にシステムに入ってきます。ファクスに関しては、用紙がサーバーに入ってくると、画面を呼び出して、入間(のセンター)にいる5人のオペレーターが在庫を引き当て、OKの状態になったら、自動的に受注確認書をファクスで(注文者に)返していきます。
 メールも非常にたくさん入ってきます。配送日の変更など緊急性を要するものから要望までさまざまで、1日当たり100件は確実に入ってきています。迅速に返信する必要がありますので、約40通りのモデルケースを作って対応しています。

――受注商品数はどれくらいですか。

 1人のお客様で4〜5点程度お買い求めいただいているようです。ですので、1日当たりの受注件数が200件として、大体800〜900点程度の商品を受注しています。週末などは受注件数自体が通常の倍かそれ以上になることもあります。
 1カ月たってみて特徴的なのは、返品が少ないことです。返品率は1カ月で2.5%といったところです。コールセンターに入ってくる電話に関しても、返品ではなく配送日時の変更ですとか商品の問い合わせ、カタログ請求などが多いですね。

――アクセス数はどうですか。また、顧客の特徴を教えてください。

 アクセス数は1日当たりおよそ10万ページビューといったところです。1カ月では約300万ページビュー程度になると思います。もともとお客様から(のネット販売に関する)要望は多かったんですよ。遠隔地の方ですとか、子供さんが小さくて出歩けないというような主婦層の方々の声が多かったですね。
 地方の方が半分弱といった感じです。年齢や性別でいうと、31〜35歳の女性といったゾーンが目立ちます。つまり、子育てしていて出歩けない、といったような方々です。そういう意味では当初頂いていたご要望通りのニーズがあるということです。全体的に見てもやはり女性の購入が多いですね。店舗に比べると、ネットの方が年齢層が比較的高いといえます。

――分野ごとの売れ行きを教えてください。

 一番大きいのは家具・家電で、全体の57〜58%程度を占めます。次に子供服、衣料品で、33〜34%程度です。食品はそれほどでもありません。全体の1%程度です。直営店では7〜8%程度あるのですが、結局、店舗で求められているニーズはそのままネットに反映されるとは限らないようです。
 商品の売れ方を見ていると、突出したアイテムがあるというよりも、比較的均等に売れています。店舗と売れ筋動向は比較的似ているのですが、ネット販売では店舗ほどは、あるアイテムに集中するという傾向がありません。

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